陸上競技

私がスポ研に勤務していた時代に「ナースセンターだより」に書いた記事です。
1992年6月号「ナースセンターだより」原文のままです。

フジミックス

前回の続きから
<症状>
・タンパク質、ビタミン、カルシウムの不足によって皮膚が乾いて荒れており、指の爪が折れやすくなる。
・植物繊維不足のため、下腿や足に体液がうっせきして浮腫になる。
・低血圧によるめまい。
・不十分なカロリーによる突然の虚脱感。
・怪我からの回復に時間がかかる。
・体重減少の継続。
・骨ばってくる:肩甲骨、背骨、腰、臀部の骨が突き出す。


・常に自分の体重を量る。
・持っている自分の身体のイメージが障害されている。
(骨と皮にような状態になっても、痩せすぎていると思わない)
・活動は亢進状態にあり、運動に対する強迫観念がある。
・あまり寝ないで早く起きる。
(飢えた動物が眠らずに食物を探して絶えずうろつく状態に似ている)
・月経不順(無月経)
・四肢が青くなっている。触れると冷たく感じる場合もある。
・緩下剤と利尿剤の悪用。
・単独で行動していて、上記の症状を呈しても問題ないと主張する。

<原因>
・「太ったようだね」とコーチや友人が何気なく言った言葉が強迫観念の原因となる。
・コーチやボーイフレンドなどの関係からくるストレスや家族の中の緊張が病気を助長したり、直接の原因となる事がある。
・指導者や仲間とのトラブルが引き金となる。
・スポーツ外傷・障害により練習できなくなり、その間の体重増加への恐れから拒食症になる。

<摂食障害に陥りやすいタイプ>
・中長距離走を専門種目としている15?25歳までの女性
・長距離走者特有の内向的な完全主義者

<治療法>
 拒食症患者は病識に乏しいことから治療は困難なことが多い。婦人科的なホルモン療法のみでは不十分であり、精神科的治療を優先させることが必要である。
 回復への第一段階として最も重要な事は、ランナー自身が自分に問題があるという事を認識できるか否かである。もし現実を見つめるようになればランナーは内々にせよ、誰かに問題を打ち明けられるようになり、孤独な闘いをせずにすむ。
 ランナーの医師は普通専門家の治療をすすめることができる。しかしある拒食症患者は頑なにそれを拒むことがある。彼女らにとって自助グループと連絡をとって援助してもらうことが良いかもしれない。
 しかし多くの拒食症患者はますます内向的になってしまう。したがってそのことについて書かれている本を読むように勧めることも一方法と思われる。

<動機付け>
 強迫観念的な減量でパフォーマンスの改善を目指しているランナーは、以下の事を理解する必要がある。
・平均以下の体重を維持することは、競技のパフォーマンスにだけではなく、健康にも支障をきたす。長年健康でいることは金メダルにも代え難いものである。
・すべてのトレーニングにおいて、回復の基盤となる身体の再生は十分な栄養素が必要である。
・長距離ランナーにとって、正常な身体機能を維持するためにも、激しいトレーニングに耐えるためにも、最低の体脂肪率を維持する必要がある。それよりも低いパーセンテージになった場合、パフォーマンスの低下を招くのみならず、健康を害することがある。個人差は多少あるが、女性の持久的競技選手の場合には、普通体脂肪率は12?22%である。
・体脂肪率を低レベルで維持していると、激しいトレーニングを続けることによって非脂肪組織、すなわち筋肉等をエネルギー生産のために消耗することになる。
・無月経自体は有害ではないが、女性ホルモンの長期間の減少状態の持続は、骨塩濃度の低下をきたし、骨を脆くする。その結果として、激しいトレーニングを継続することにより疲労骨折をきたしやすくなる。

<続きは次回に>


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