東京オリンピック女子マラソン鈴木亜由子選手応援メッセージ

---

東京五輪マラソンは女子が８月７日、男子は大会最終日の８月８日に札幌大通公園発着のコースで行われる。
陸上競技が大好きな私は、その日が来るのをとても楽しみにしている。
とりわけ女子マラソンの鈴木亜由子選手に注目している。
今回のレースは暑い環境下のレースが予想されるので、夏に強い鈴木亜由子選手に優勝のチャンスがあると密かに期待している。とは言うものの祈る気持ちでテレビ観戦しているだろう。

2006年12月、当時中学生の彼女が出場した愛知駅伝を私は自宅でテレビ観戦していた。実況解説は金哲彦さんだったと思う。彼女は30秒近くあった先頭との差をグイグイ縮めて、並ぶと一気にかわして一位でたすきを繋いだ。このとき「強い女子中学生がいるな」と驚嘆したが、まさか名古屋大学に入学してオリンピックに出場する選手に育つとは夢にも思わなかった。

彼女が名大に入学した１年目に行われた七大戦は、私がビデオ撮影した最後の七大戦である。
私は学生の活躍をビデオに収めていたが、もちろん鈴木亜由子選手の出場する女子800mと女子3000mもビデオに収めた。
女子800mは逃げ切って優勝したというレース運びで、彼女が群を抜いて強いという印象はなかった。しかし、女子3000mにいたっては圧巻の優勝で、距離が長くなるほど強い選手だと思った。

その後、彼女はインカレ女子5000m連覇、夏季ユニバーシアード（ロシア）女子10000m金メダル、5000m銀メダルを獲得するなど輝かしい成績を残した。
この功績にマスコミは大学時代に彼女を指導した金尾洋治監督のことをほとんど取り上げてくれないが、金尾監督の指導の賜物だと私は思っている。

彼女が大学２年時に行われたOB総会の２次会の席で、私が金尾監督の隣に寄った際に「ロンドンオリンピックに彼女を出場させたい」と語ってくれたのが忘れられない。今から考えると、本気で五輪目指して取り組んでいたのだろう。でも私は、内心「監督、それは本気ですか？」とにわかには信じがたかった。

彼女は大学を卒業すると新たな指導者の下、日本郵政グループで活躍。2016年リオ五輪女子10000mと5000mの代表切符を手にした。金尾監督のオリンピック出場と口に出していた言葉が本当に現実となった。

2018年8月に行われた北海道マラソンで彼女は初マラソンで優勝。私は10000m走者のイメージが強かっただけに彼女のマラソン転向は大きな驚きだった。

2019年９月のマラソングランドチャンピオンシップで彼女は２位となり、東京オリンピック日本代表を射止めた。
名大の豊田講堂前に「祝　鈴木亜由子選手　東京オリンピック　マラソン出場内定」の横断幕が掲げられた。

2019年12月、名大経済学部のカンファレンスホールで鈴木亜由子選手の壮行会が行われた。２次会の席で私は初めて日本郵政の高橋昌彦監督と対面でお話できた。やさしい笑顔の監督で、選手に寄り添いながら互いに高め合いながら指導しておられるようだった。故小出義雄監督のスタッフの一員としてシドニー五輪女子マラソンで高橋尚子選手が金メダルを獲得した時に立ち会っており、小出監督の気さくで優しい人間性を持ち合わせている。褒める、気遣うことで選手のモチベーションを上げる、上から目線で選手を見ることはなく、対等の目線で、「一緒に頑張っていこう」という姿勢が感じられたので、金尾監督も自分の手から離れたかわいい教え子をこれなら安心と任せているに違いない。

2021年８月、いよいよ満を持して東京オリンピック・女子マラソンが始まる。
コロナで大変な状況下での五輪となってしまったが、鈴木亜由子選手が優秀すれば五輪史に彼女の名前を刻むことになる。高橋尚子、野口みずきに続く金メダリストになって欲しいと切に願う。

シンガープロ
安藤秀樹

投稿：2021年７月23日

---

---

---

---