アーティスト

ウクライナの国旗を指差して 左から知里、カテリーナさん


ウクライナ


ウクライナの民族楽器バンドゥーラ演奏家のカテリーナさん

平和のことを考えつつ、ウクライナ音楽の魅力を一人でも多くの方に知っていただきたいと、知里の “イチ” おっぺし!【Vol.3】が、令和4年3月24日にライブ配信された。
ライブ配信は、ゲストにウクライナ民族楽器のバンドゥーラ奏者であるカテリーナさんをお迎えして、茨城県境町にある楽園堂で行われた。
今回は、寄付も募っていて、ライブ中に「投げ銭」すると、カテリーナさんを通してウクライナに全部寄付されると言うもので、知里は、連日メディアに出演しているカテリーナさんを気遣って、「楽器を奏でる時間をとるのも大変の中、ようこそお越し下さいました。」と感謝の言葉を述べ、温かくカテリーナさんを迎え入れた。



カテリーナさんは、現在ロシアの軍事侵攻が続いているウクライナの出身で、チェルノブイリ原発事故発生場所からわずか2.5キロのプリピャチで生まれた。
当時生後1ヶ月で、強制退去されてキエフに避難。そこで音楽と出逢い、3才でピアノを弾き、6才の時にバンドゥーラを習い、チェルノブイリ原発で被災した子供たちで構成された音楽団に入団。以後海外公演に多数参加し、10才の時に初来日して公演。コンサートには沢山の方が来場し、盛大な拍手を送ってくれた。それにいたく感銘を受け、言葉がわからなくても音楽で心が通じることを身を持って感じた。
その頃から、「ウクライナの音楽を受け入れてくれるのは日本しかない。将来音楽活動するなら、日本で活動したい」と強く思うようになり、19才で音楽活動の拠点を日本に移し、国内外の様々な場所でバンドゥーラを広める「伝道師」として活動している。


知里とカテリーナさんとの対談


[バンドゥーラのお話]
知里は、「今年の正月に初めてバンドゥーラを聴いたとき、鳥肌がたつほど大きな衝撃を受けた。バンドゥーラの音は、日本古代から伝わるものゆかしい音で、その響きはチェンバラにも似ているし、ヨーロッパの楽器にも似ている。音楽のビートが身体からふわっと聞こえてくるような温かいオーラに包まれた音色」と話している。

バンドゥーラの起源は 12世紀まで遡り,視覚障害者によって演奏されてきたとのことで、それは日本の琵琶法師と音楽的背景が似ているようだ。
バンドゥーラはピアノに近い楽器で、ウクライナの歴史、伝統、民族、音楽のすべてが入っている。初心者向けとプロ向けがあり、およそ50から70の弦で構成されている。音域は、半音階で5オクターブあり、本来はノスタルジックな響きを持つ楽器だが、演奏する楽曲によって様々な世界を作り出すことができる。
因みにカテリーナさんが番組の中で手にしていたバンドゥーラは、弦が65本あって重さが8キロ。

知里が「どうやって音を鳴らすの?」と尋ねると、左手の位置がベース弦になっていて、押さえるのではなく、爪で弾く。後ろにペダルがついていて、このペダルでいろいろな曲に合わせてキーを変えることができると説明していた。


バンドゥーラ 重さ8キロ


バンドゥーラの後ろにあるペダル


日本でバンドゥーラを製作して欲しい!


カテリーナさんから切実なお願いがあった。
現在、ウクライナは戦禍でバンドゥーラが手に入らなくなっている。
日本で製作してくれるメーカーがあれば、日本からバンドゥーラを発信できる。
各国に避難しているウクライナの人からも日本にバンドゥーラを注文してウクライナの伝統音楽を引き継ぐことができるようになる。
日本でバンドゥーラを製作していただけないかと。

知里もすぐに呼応して、「日本でバンドゥーラを製作して下さる方がいたら、ぜひご協力お願いします。」と強く呼びかけた。


戦禍のウクライナ


今年1月は普通に楽しくカテリーナさんと会話していたけど、まさかその翌月にロシアがウクライナに軍事侵攻してくることは想像していなかった」と、戦禍のウクライナに心を痛めていることが二人の会話からにじみ出ていた。

カテリーナの母マリヤさんは、戦時下にあるウクライナの首都キエフに一人で暮らしていたので、現地にいる母親の身を案じてネットテレビを使ってカテリーナさんは母親と頻繁にやりとりしていた。母親がウクライナを脱出し、ポーランドを経て3月22日に横浜の自宅へと無事に迎え入れることができたので、カテリーナさんは、今安堵していると言う。
そんな経緯もあり、カテリーナさんが世界平和を願う気持ちは人一倍強い。

ステージ背面の壁にはカテリーナさん直筆で「世界に平和を!」とウクライナ語で書かれた色紙が飾られていた。知里はウクライナ語を教えてもらって復唱し、「世界平和」のメッセージを伝えた。


世界に平和を!


バンドゥーラを演奏するカテリーナさん


カテリーナさんによるバンドゥーラ演奏


カテリーナさんは、「幸せの鳥」、「お母さん、教えて」、「母への道」、「翼をください」、「イマジン」の5曲をバンドゥーラ弾き語りで歌唱してくれた。

バンドゥーラの音色は清らかで可憐。そしてカテリーナさんの歌声は透き通った水のように澄んでいて、とても美しい。天上界から降り注ぐ光に包まれているかのようなやさしさと哀愁漂う切ない音色と歌声に引き込まれていく。

コメント欄には「すごい!」、「沁みます」、「癒やされます」といったコメントが続々と寄せられた。

「幸せの鳥」は、幸せの鳥があなたに幸せを運んできてくれるというウクライナの古い曲。

「お母さん、教えて」は、母親と娘の会話を歌にした曲で、「お母さん、教えて!どのようにしてこんなにステキなママになれたの?」、「お母さん、教えて!どうやって幸せをここまで守ってこれたの?」と母親がニコッと笑って、自分が娘と同じ年に自分も同じことを母親に問いかけていたのを思い出している。

知里が、「母には歌だと言えることも言葉にすると恥ずかしくて言えないことがある。」と言うと、「戦争が起きて、キエフにいる母と最後の別れになるかも知れないと思うと、恥ずかしい気持ちよりも本当に言いたいことを言えるときに言っておかないといけないとの思いの方が強かった。」とカテリーナさんが返答。
知里は、その話に感情が込み上げてきたのか、目を真っ赤に腫らしていた。


泣きそうになる知里


「母への道」は、愛国ウクライナ、故郷への想いが描かれている曲。
ウクライナの「お母さん」には二つの意味があって、一つは自分を育ててくれた母親のことで、もう一つは故郷である国のこと。そのためカテリーナさんのレパートリーには「お母さん」が多いとのこと。

つらいことが起きているウクライナの現実があるので、私はこの歌を聴いて、焦土化した広大の大地に夕陽が沈んで、あたりの空一面が真っ赤に染まって風が荒涼と吹いている景色が目に浮かんできた。

「翼をください」は日本の歌で、合唱曲としても有名な曲。
知里は感極まって泣きそうになりながらも途中からカテリーナさんと一緒に歌唱。この歌の歌詞である「悲しみのない自由な空へ 翼はためかせ行きたい」には心を打たれる。今のウクライナの人々が願う気持ちをそのまま言い当てているように聞こえた。

「イマジン」はジョン・レノンの楽曲で、平和希求の歌として世界中の人々に愛唱されている。歌詞の「国や宗教のために殺し合ったり死ぬことないよ」、「世界がひとつになってほしい」は「本当にそうであって欲しい。」と願いたくなる。

ジョン・レノンは、1980年12月8日、車から降りたところを銃撃されて40才の若さで帰らぬ人となった。
世界中の人々が愛してやまない偉大な音楽家は、二度と戻ってこない。命が奪われることは取り返しがつかない。戦争は取り返しのつかないことをしている悲惨な出来事である。

「音楽は国境を越えて素晴らしいですね。戦争で音楽ができなくなっちゃうのはすごく悲しいですが、今こうして奏でることができて平和であることを幸せに感じないといけないですね。」と知里が語った言葉、カテリーナさんが、「世界中の皆さん、日本の皆さんからたくさんの励ましとご支援いただき本当にありがとうございます。音楽を通して、少しでも皆さんに幸せをお届けしたい。」と最後に結んだ言葉は印象的だ。

一刻も早く戦争が終わって、世界に平和が訪れますように。そんな思いを強くしてくれるライブ配信であった。

投稿:2022年3月27日
シンガープロ 安藤秀樹


知里の"イチ”おっぺし!【Vol.3】

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