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 石黒加恩さんは、昨年7月、小学6年生(布袋小学校)で出場した第56回郷土民謡民舞青少年郷土みんよう全国大会で、総合優勝の「民謡チャンピオン」に輝き、文部科学大臣賞を受賞。
 愛知県から民謡全国大会の優勝者は初めてとのことで、石黒さんは、小節の入れ方が至難とされる福島県民謡「新相馬節」を見事に歌い上げて、抜群の評価で民謡チャンピンになった。
 石黒さんは母親の実家のある福島市に3歳まで住み、その後も田舎でもあることから何度も帰省していたので、福島県には特別な思い入れがある。
 加恩さんと民謡の出会いは2歳の時に民謡の発表会に行く事があり、その時に初めて民謡の魅力に取り憑かれた。
 転機は4歳の時に、たまたま自宅の向かいに民謡教室があり、「自分もやりたい!」と親に懇願し、習い始めたのがきっかけである。
 当時、民謡藤栄会 会主の内藤千賀弘氏が名古屋から民謡教室に指導に訪れていて、それがご縁で、現在に至るまで内藤千賀弘氏を師匠として仰ぎ民謡を教えてもらっている。
 内藤師匠は、加恩さんのことを「負けず嫌いでものすごく練習熱心」と褒める一方、民謡に関しては人一倍厳しく指導しているようだ。
 加恩さんの夢は大きく、自分で民謡の会を作り、家元になること。幼稚園や小学校の先生も目指していて、家元になれたら、大好きな「民謡」ができると目を輝かす。
 練習は一般家庭で見かけるごく普通のお部屋で行われていて、師匠と三味線の音合わせや唄う声のキーをその都度、調節すると言う念の入れよう。
 石黒加恩さんは、師匠の「ソーラン、ソーラン、西に・・」の歌声に合わせて三味線を弾いたり、立って、一人でアカペラで「あぁああぁあああぁああぁあ・・・」と抑揚(変化)のある歌声を発声する。これが民謡の歌の世界だと思うが、聴けば聴くほど郷土の風景や風情、民衆の姿が目に浮かんでくる。民謡が民衆の生活のなかで生れ育った所以だと改めて思い知る。
 中学1年生の石黒加恩さんが、日本の伝統文化を伝承していくことは本当に喜ばしい限りである。かと言って彼女が地味で古風な人柄かと思うと全く違う。茶目っ気たっぷりの可愛らしい女の子で、ごく普通の女子中学生となんら変わりはないように思う。ただ言えることは毎日車やお風呂場で歌っているくらい民謡が大好きだということ。技術を磨きたい、もっと高みを極めたい、チャレンジしていきたい、そんな貪欲な気持ちを持ち合わせている。そうした点からも彼女の歌っている表情はとても生き生きしていた。
 今後の予定は、
○ 8月5日:第57回郷土民謡民舞少年少女みんよう全国大会に出場。
             (会場:中野ZEROホール 主催:一般財団法人 日本郷土民謡協会)
○ 11月23日:第4回江南紅白歌合戦 ゲスト出演。
ぜひ一度彼女の民謡(JAPANESE FOLK SONG)を聴いて日本人的奥ゆかしさを感じて欲しい。
取材:シンガープロ 安藤秀樹 2018年6月1日 【オピニオン2018年8月号掲載記事】
https://singerpro.me/me/opinion.html



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