評論

テレビ局から放送される番組・広告(CM)には全て基準(放送基準)がある。当然、歌番組にも基準がある。歌番組は娯楽番組に属する。その基準は「娯楽番組は健全な慰安を提供して国民の生活内容を豊かにするものとする」という内容である。

テレビ局は娯楽番組のほかに、報道番組、教育番組、教養番組などを放送しており、番組相互間の調和と適性を保つものとして基準を設けて、従っている。

テレビ局は、個々の番組及び広告の放送にあたって守るべき基準の細目については「日本民間放送連盟・放送基準」を準用している。

テレビ局は、以上の基準及び関係法令に従っている。

特筆すべきこととして、テレビ局は電波法、放送法に基づいて存在する特殊な一般大衆向けのマス・メディアということである。

マス・メディアには、新聞・雑誌・インターネットがあるが、新聞法・雑誌法・インターネット法が無いのである。

テレビ局が使用している電波は、そもそも国民の共有財産なのであり、テレビ局の所有物ではないのである。

テレビ局は、国民から電波を借りて、商売をしているのであって、国民の公共の利益に、どういうふうに資するかを、第一義に考えなければならないのである。

テレビ局の目的は、放送を通じて、文化の発展、公共の福祉、産業と経済の繁栄に役立ち、平和な世界の実現に寄与し、人類の幸福に貢献することである。

テレビ局の自覚が求められている。

投稿者:杉浦定行 【オピニオン2018年4月号掲載】
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【杉浦定行プロフィール】
1975年日本大学芸術学部放送学科卒業、同年中京テレビ放送株式会社入社。
TVマンの前半20年ほど、警察、司法、行政、経済、スポーツなどマス・メディアの記者クラブに所属して取材経験を積みながら、情報・スポーツ番組のディレクター、プロデューサーとして報道取材・番組制作の現場部門の業務に従事。
TVマンの後半の20年ほどは、主に管理部門の業務に従事。広告代理店、スポンサー対応の営業部門を経験した後、番組審議・CM考査(マスコミ倫理懇談会全国協議会会員、JARO・日本広告審査機構会員)個人情報監理などコンプライアンス部門の業務に従事。
アナログ放送からデジタル放送への変換時期には、放送監視部門の業務にも従事。
64歳(2014年)夏の終わりに、離職。
独居でペットの老犬と一緒に暮らす高齢の実母と、遠く離れて一人で生活する高齢の義母の二人の母を見守る生活移行へと、踏ん切りをつける。
現在、経験を活かして「視聴者目線のテレビ放送」「地域における介護と医療」「行政と住民自治の在り方」をテーマにして、ジャーナリストとして、取材・調査・研究・考察の活動を続けている。
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