ピアノ


 2019年3月7日、江南市倫理法人会モーニングセミナーに参加。

 講話者はピアノ調律師の矢川光則(やがわ みつのり)氏。

 今から73年前、広島市に原子爆弾が投下された。この原爆で56万人が被爆したとされる。

 矢川氏は、戦後の1952年(昭和27年)に広島に被爆二世として生まれながらも、原子爆弾や平和運動に関してはほとんど関心がなかったとのこと。

 1993年(平成5年)に、ヤガワ楽器調律センターを、1995年に矢川ピアノ工房を設立したのを機に古いピアノの再生を行い福祉施設等への寄与をする奉仕活動を始めた。

 奉仕活動を重ねる中「 被爆ピアノ」と出会い、被爆体験者と関わることで、原子爆弾の悲惨さと平和の尊さを痛感し、それを後世に伝えていくことが自分の使命と感じる。

 そんな思いもあり、2005年愛・地球博のコンサートに招かれたのを皮切りに、被爆ピアノをトラックに積んで沖縄から北海道まで全国至るところで平和コンサートを行うようになった。

 私も戦後生まれで、戦争のことは全く知らないが、平和の尊さとありがたさをしみじみと感じている。

 講話後に爆心地から半径1.5キロで被爆を受けたというピアノで演奏が披露された。

 清らかで心が洗われる想像を超える素晴らしい音色にとても驚かされた。

 ひょっとしたら現在生産されているどのピアノよりも素晴らしい音色ではないだろうかと思えたほどである。

 被爆ピアノの所有者が昨年12月に亡くなられたとのことだが、ピアノ調律師の矢川氏は、人々の記憶から消えたときが本当の死で、人々の心の中に生きている限り、その方は生きていると語った言葉が印象に残った。

【コンサート歴】
 2001年:広島平和記念公園でコンサート
 2005年:愛・地球博でコンサート
       以降、自前の4トントラックを運転して沖縄から北海道まで現在までに1500カ所以上でコンサート。
 2010年9月:ニューヨークでコンサート
 2017年12月:オスロ市でノーベル平和コンサート

【お知らせ】 矢川氏をモデルにした被爆(ひろしま原爆)ピアノ劇映画が2020年に公開予定。

投稿:2019-05-17
文:安藤秀樹


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