Web・ソフト・勉強会

10月14日(土)、WCANの勉強会に参加しました。
WCANは、ホームページ制作に携わっている方や、WEBに興味のある方々のグループです。
年に4回の割合で勉強会を開催しています。
今回は、名古屋国際会議場で勉強会が行われ、講師はボーディー有限会社代表の住 太陽さんマザー株式会社代表の八十住 孝さんでした。


【情報検索の現状と制作者の課題 - 住 太陽さん - 】
住さんのお話で興味深かったのは、下記の内容です。

1)インターネットの捉え方が昔と今とでは異なる。インターネットが始まったばかりの頃は、インターネットは百科事典みたいなものと思っていたけれど、最近の若い子は、インターネットをSNS(ソーシャルネットワーキング)みたいな感覚で捉えている。

2)WEBの購買における消費者の購買行動が変化してきている。
以前は、AIDMA(アイドマ)であったが、現在はAISCEAS(アイシーズ or アイセアス)である。

AIDMAとは、ネット上のある商品に(Attention)注目し、その商品に(Interest)興味を持ち、その商品を(Desire)欲しいと思い、その商品を(Memory)覚えていて、そのうちにその商品を購入しようと(Action)行動するという消費者の行動パターンを指します。

一方AISCEASとは、ネット上のある商品に(Attention)注目し、その商品に(Interest)興味を持ち、その商品を(Search)検索し、その商品を(Comparison)比較し、その商品をどこで購入するかを(Examination)検討して、その商品を購入しようと(Action)行動して、購入した商品の感想をネット上に書き込んで情報を(Share)いろいろな人たちと共有するという消費者の行動パターンを指します。

ネット上の検索機能が発達し、「価格ドットコム」や「2ちゃんねる」などの登場で消費者の行動パターンが変化してきました。

3)WEB上の無形資産
資産は土地とか建物とかと思われてきましたが、最近では、ブランド、顧客、知的資本、人的資本、関係構造資本といった無形のものに価値があると思われるようになりました。具体的にはコカコーラ会社の工場がたとえ全部燃えて無くなったとしても、コカコーラというブランドは消えないし、人的資産によってすぐに再建するだろうということです。

1)2)3)から、今まで当たり前だと思っていたことが、当たり前でなくなることがあるので、時代の流れに柔軟に対応する能力がないと、時代に取り残されてしまうと思いました。

Web検索ですが、YahooやGoogleで百科事典代わりに利用するじゃありませんか。それが当たり前だと思っていると、もう次ぎはVertical Search(専門検索)といった新しい検索技術の始まりです。Yahooがすでに商品検索でこの技術を取り入れています。

「将来Web検索は無くなるかもしれません。」と住さんがおっしゃったときには、衝撃的でした。
絶対なくなる筈はないと自分は思っているのですから、自分はすでにそこで頭の切りかえができないでいるわけです。WEBの世界では新しい流れや変化がおこりますから、それについていくのはなかなか大変です。ですから今後WCANの勉強会に参加することは意義があると思います。

【Web制作会社、経営の舞台裏 - 八十住 孝さん - 】
私自身、独立して仕事を始めましたので、大変興味深くお話を伺わせていただきました。

マザー株式会社は、大手と取引のある一流のホームページ制作会社です。花王、ミツカン、アサヒビール、サントリー、コクヨ、オリンパス、松坂屋などなど超一流会社のホームページを制作しています。

社長の八十住さんは、インターネットが始まったばかりの頃にWeb制作に目をつけられ、一人で独立して事業を始められました。それが現在では64人もの従業員をかかえる立派な会社の社長さんです。でも大きな会社になればなったで、苦労も多くて、社長とは孤独な存在だと思う時があるみたいです。

八十住さんの語った言葉で、「会社経営は見た目が大切である」との言葉が印象的でした。

現在株式会社は1円から興せますが、資本金1円の会社は信用がないと受け止められる。最低資本金は1,000万円。成長している会社だと印象づけるためには徐々に資本金を増資していく。資本金1億円は見た目にも信用度が非常に高い。税金対策で資本金を9,900万円としている会社があるが、9,900万円と1億円とでは印象が全く違ってくる。税金で高くなるのは1億1円からなので、この場合は1億円とするのが得策である。

会社の所在地は東京、名古屋、大阪におくのが良い。東京でも千代田区とか区にこだわることが大切。名古屋なら中区とか、大阪なら中央区とかいった具合である。拠点は3カ所目から税金が高くなるので、多くの企業は東京、名古屋などの2カ所にとどめている。
しかしマザーの場合は、従業員の士気を高めるためにあえて3カ所にしたとのこと。誰々をどこどこの支店長へ配属することでその人の仕事への責任感が増し、かえって会社経営がうまくいくからとのことです。いろいろ考えていらっしゃるのですね。

以上は大手から仕事を請け負うための戦略的な面もあるかと思いますが、八十住さんがえらいのは、そこまでに至る経緯です。

ホームページ制作でも最初から仕事が入ってくるわけではありません。十社、二十社と競合しないといけないわけですから、それに勝ち抜くことはかなりシビアだと思います。八十住さんの人柄と才能が、大手からの仕事を請け負うことに成功して、会社を大きくしていったのだと思います。

投稿:2006年10月18日
安藤秀樹


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