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● 母親に付き添われて当所に受診に訪れた選手が、医師から腰椎椎間板ヘルニアと診断され、手術を勧められました。 母親は、医師の 「手術を」という言葉を聞いて、 動転してしまいました。「代われるものなら、私が代わって手術したい」と泣きくずれそうな表情で、医師にすがるのでした。 ここで思ったことは、「親というのは、自分の身を顧みないまでにも、こんなにも子供のことを思うんだな」ということでした。 わが親を思って、 「自分の場合にも確かにそうだった」と思いました。 また母親は、「手術するのなら、最高の医師を、最高の手術ができる病院を」と泣きながら、医師にお願いしていました。もちろん、子供を思う親の気持ちの表れだと思うのですが、裏を返せば、"腰椎椎間板ヘルニアの手術は恐い”と思い込んでいる表れではないでしょうか。

● 交通事故で、膝の靭帯を損傷して入院してきた競輪の選手がいます。 彼は「スポーツ復帰できるまで入院させて欲しい」 と言っていました。 理由は「退院しても、レースに出場できなければ、収入が入ってこない。 退院すれば、そこで保険が打ち切られる。 一家の大黒柱として、収入が途絶えることは死活問題である」ということでした。 この選手の話を聞いていると、同情したくもなりましたが、ここ2、3年の当所入院施設の利用状況をみますと、一人の選手を長期間入院させておくことは非常に難しい状況にあります。 当所は慈善事業で経営しているわけではないので、必ずしもご本人の思うようには事が運ばないのが現状です。

● 足底筋膜炎を患っていた選手が、今月、当所で手術しました。 手術前は、あんなに手術しようかどうしようかと迷っていましたが、 実際に手術してしまうと、 すっかり落ち着いてしまったようです。

● かもめレストランの入院食の件で、ある選手から苦情がありました。 この選手の言い分としては、「トレーニングが行える食事内容ではなかった」 ということでした。 確かに、 メニュの内容を教えられると、うなづける面がありました。 しかし、 経営者側としては、 「深代泰子先生の書かれた “スポーツ選手の栄養と食事”という本を読んで勉強しながら、メニュを作成している。 今回苦情があったことに関しては、反省しなければいけない点があるが、限られた金額の枠の中で、全てのスポーツ選手に満足していただける食事を提供することは難しい」ということでした。
深代泰子先生の書かれた本を購入して、勉強しておられたことは、とても良いことだと思いました。 ただ、それが十分に生かされていないように思いました。 今回は「入院食では、食事の量が少ない、あるいはどうしても食事の内容に満足できないという選手には、お金を追加で出していただいて、合宿所を利用している方々と同じ食事を勧めてみてはどうか」 ということで話がつきました。

●今月末に、陸連ジュニアの選手が当所の体育館で練習中に膝を受傷し、 急きょ手術となりました。

(財)スポーツ医・科学研究所
ナースセンターだより1993年3月
診療部 主任看護師 安藤秀樹

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