山登りのヒーローから世界の主役へ。黒田朝日と吉田祐也、ロス五輪への号砲
「駅伝練習がマラソンをダメにする」は過去。原晋監督の信念が結実した別大マラソン大会
本日、別大マラソンが開催された。今大会で最大の注目を集めたのは、1ヶ月前の箱根駅伝で5区の山登り区間を走り、5位から首位へと浮上する驚異的な走りで青山学院大学の優勝に大きく貢献した黒田朝日選手である。
結果は、同じ青学大出身の先輩である吉田祐也選手(GMO)が日本人トップの2位。黒田選手は2時間7分3秒で3位に食い込んだ。
黒田選手はレース前、「体調は思わしくない」と語っていた。エネルギーを出し切ったあの過酷な箱根の山登りから、わずか1ヶ月という出場を考えれば、体調が悪いのは当然だ。
私は、ひそかに彼の優勝を期待していたが、3位という成績は、ほぼ期待通りの快挙だった。通常、箱根駅伝の疲労が抜けきらない1ヶ月後では、完走することさえ容易ではないはずだからだ。
青山学院大学の原晋監督は、就任当初から箱根駅伝の勝利だけでなく、世界に通用するマラソン選手の育成を目標に掲げていた。
今、その信念は現実のものとして結実している。「駅伝の練習がマラソンをダメにする」というかつての定説を、教え子たちが鮮やかに覆してくれた。今や「駅伝の練習はマラソンに通じる」という考えに、異を唱える者は少ないだろう。
箱根を目指す大学生ランナーにとっても、箱根駅伝は最終目標ではなく、世界と戦うための通過点へと、その意識が大きく変わりつつあるように感じる。
吉田選手はゴール後、「非常に楽しいレースだった。黒田選手とは普段から一緒に練習しており、今日ラストで競り合えたことで、私自身も成長できていると実感した。本当に感謝している」と語った。その受け答えは、実に清々しいものだった。
一方、箱根での超人的な活躍により、メディアからの重圧も相当なものだったと思われる黒田選手も、先輩である吉田選手の温かい言葉に、心が和らいだのではないだろうか。
原監督が、「瀬古さんに練習メニューを見せたら、『こんな少ない練習量でマラソンは走れない』と言われそうだ。負荷自体は高くないが、4年間の積み重ねの賜物だ」と話していたのは非常に興味深かった。
また、解説の瀬古利彦さんが、「(自身の母校である)早稲田の後輩が負かされたのは困るけれど、今日の走りは本当にすごかった」と感想を述べていたのは面白かった。
青学の先輩・後輩による意地とプライドがぶつかり合うデッドヒートは、実に見応えがあった。2選手ともにロサンゼルス五輪を見据えているとのこと、ぜひその目標を叶えてほしい。
投稿:2026年2月1日
安藤秀樹

