ミラノ・コルティナ五輪観戦記:日本勢の健闘とアスリートの執念
スポーツに潜む「魔物」と「奇跡」
ミラノ・コルティナオリンピックでの日本勢の大健闘が続いています。
メダル獲得数はすでに14個。前回大会の18個にどこまで迫れるか、大きな注目が集まっています。
テレビで観戦していて驚かされるのは、とても人間わざとは思えないアクロバティックな技の数々です。
例えば陸上競技などでは、速い・遅いの違いこそあれ、「走る」ことは誰でも真似ができます。しかし、冬季オリンピックの種目に関しては、一般人が真似をすることは到底できません。
おそらく、これらの種目のほとんどは、人類の中でもごく限られた人たちだけの戦いなのだと思います。彼らが繰り出す技には、ただ目を見張るばかりです。
ビッグエア、ハーフパイプ、そしてスキージャンプ。私からすれば、どれも自殺行為にしか見えません。
だからこそ、彼らは試技中に一瞬たりとも集中力を切らしません。ふっと気が緩めば、即座に命の危険に直結します。その張り詰めた空気から、彼らがまさに命がけで挑んでいることが伝わってきます。
オリンピックまでの4年間の軌跡はあまり報道されないため、本番で紹介されて初めてその背景を知り、驚嘆させられます。
男子モーグルで銅メダルを獲得した堀島行真選手が、金メダルを取るために一昨年夏、拠点をノルウェーに移してトレーニングを積んだということも初めて知り、オリンピックにかける凄まじい執念を感じました。
また、直前に骨盤骨折という重傷を負った男子ハーフパイプの平野歩夢選手が、7位に入ったことにも衝撃を受けました。骨折をおしての出場や活躍は、普通ではあり得ないことです。
気合いで押し切ったのでしょうが、医学的に不可能な状態でのあの滑りは、精神力と執念が肉体の限界を凌駕したとしか思えません。
スポーツには時として、奇跡や神がかりといった「魔物」が潜んでいると思わざるを得ません。
○ スノーボート
・男子ビッグエア 木村葵来:金
木俣椋真:銀
・女子ビッグエア 村瀬心椛:金
・男子ハーフパイプ 戸塚優斗:金
山田琉聖選手:銅
○ フィギュアスケート
・男子シングル 鍵山優真:銀
佐藤駿:銅
○ スキージャンプ
・男子ノーマルヒル 二階堂蓮:銅
・女子ノーマルヒル 丸山希:銅
投稿:2026年2月15日
安藤秀樹

