憧れが紡ぐ「お家芸」への道〜女子フィギュア日本勢の躍進〜 ミラノ・コルティナ冬季オリンピック
国境を越えた笑顔 坂本・中井・千葉選手が魅せた絆。そしてアリサ・リウの衝撃的な可愛さ
2月19日、女子シングルフリースケーティングが行われた。
金メダルはアリサ・リウ選手、銀メダルは坂本花織選手、銅メダルは中井亜美選手、そして4位は千葉百音選手であった。日本勢が2・3・4位を占め、フィギュアスケートはすっかり日本のお家芸となった感がある。
今回のフィギュアで印象に残っているのは笑顔である。
坂本選手や千葉選手は目標としていた結果に届かず、悔し涙を見せる場面もあったが、フィギュアスケートの最も素晴らしいところは、やはり笑顔で観客を魅了することに尽きると思う。
1972年の札幌オリンピック。当時18歳のジャネット・リン選手は銅メダルであったが、終始笑顔で滑っていたその姿は世界中で大絶賛された。「銀盤の妖精」と呼ばれて人気が沸騰し、日本に大フィーバーを巻き起こした。
今回、金メダルを獲得したアリサ・リウ選手は、とびきりかわいく、かつてのジャネット・リン選手を彷彿とさせた。彼女の人柄の良さが、その表情からも伝わってくるようだった。
中井亜美選手もまた、演技中に笑顔を絶やさなかった。フィニッシュのあとに「アレッ!」と首を傾げたときの表情は、なんとも言いがたく、微笑ましくて可愛らしかった。
今から15年前、スケートリンクの出入り口で羽生結弦選手が幼い千葉百音選手のほっぺをギュッとつまんでいた動画がテレビで放映されたが、そのシーンはとても微笑ましかった。千葉選手と羽生選手の間には深い絆がある。一方、中井選手は浅田真央選手に憧れて5歳のときにスケートを始めている。それぞれが先輩たちの背中を追ってここまできたのだ。
表彰台で、坂本選手、アリサ・リウ選手、中井選手が笑顔で自撮り写真を撮っていたシーンはとても微笑ましかった。国境を越え、みんな同じスケートを愛する仲間であることを象徴しているようで、深く感動した。
1908年に始まったオリンピックのフィギュアスケート競技史において、男女シングルで日本選手が表彰台に立つようになったのは、ここ約30年のことである。
それまでフィギュアスケートは欧米のスポーツであり、日本人がメダルを取ることはできないのではないかと私は思っていた。
しかし、1992年のアルベールビルオリンピックで伊藤みどりさんが銀メダルに輝いたのをきっかけに、国内の練習環境が大きく充実した。憧れの選手が次々と誕生してきたことが、今日のフィギュアスケートを日本のお家芸と呼ばれるまでに押し上げたのだと思う。
投稿:2026年2月21日
安藤秀樹

