高市早苗氏の新総裁選出と政権運営の課題
高市早苗氏が新総裁に選出されたものの、今後の政権運営には多くの課題が予想される。
高市氏に投票した党員の中には、公明党の自民党離脱を予測した者はいなかったのではないだろうか。中には、初の女性総理誕生という期待感のみで投票した党員もいただろう。
党役員人事において、派閥パーティー収入不記載事件に関与した萩生田光一氏を幹事長代行に起用したことは、大きな弱点となった。
また、副総裁に麻生太郎氏、幹事長に鈴木俊一氏を登用したことは、旧態依然とした自民党の復活を印象付けた。
公明党の離脱は、政治と金の問題に対する見解の相違に加え、麻生太郎氏の公明党嫌いが大きな要因だ。
萩生田氏の起用が麻生氏によるものか高市氏によるものかは定かではないが、これらの党役員人事から、高市氏は麻生氏の意向を考慮しながら政策を進めることになり、大胆な改革は難しいように思う。
総裁選前に、唯一 林芳正氏のみが麻生氏への訪問を行っていなかった。林氏が総裁に選出されていれば、少なくとも麻生派の影響を受けない、麻生派のしがらみのない党役員人事が行われていた可能性があり、その場合、公明党は離脱していなかったと考えられる。
今回、公明党が野党側に回ったことで、国会の勢力図は大きく変化し、政権運営は混迷を深めている。
政策が明確化されないことで最も影響を受けるのは国民である。一日も早く安定した国会運営が実現することを願いたい。
投稿:2025年10月11日
安藤秀樹