政治経済

高市首相が、消費税導入以来初となる「減税」に踏み切ろうとしている。これまでの言動やSNSにあげた動画、熊本地震の視察時の振る舞いなどを見ていると、どうしても「歴代総理が成し遂げられなかった偉業を達成し、歴史に名を残す英雄になりたいのではないか」と感じてしまう。

今回の決断も、自身の評価や自民党の信頼を失わないためだけに行われたように見えて仕方がない。


2年後に税率を元に戻せる保証はあるのか


しかし、2年後の2029年4月に予定通り税率を元に戻せる保証はどこにもない。もしその時期に物価高が続いていたり、南海トラフ地震のような大災害が発生したりすれば、増税など不可能だ。元に戻せなくなれば、社会保障制度は立ちゆかなくなり、高市首相は英雄どころか「日本経済を破壊した首相」として名を残すことになるだろう。

さらに、2028年7月の参院選で「増税」を掲げて戦うのは極めて難しく、レジシステムの改修費や、外食・農林水産業への支援など、解決すべき課題も山積みだ。こうした不確実な2年後の制度変更に多大な時間と労力を費やすくらいなら、今すぐ「円安の抑制」や「物価高対策」にエネルギーを注ぐべきではないだろうか。


言葉だけでは信用できないビジネスの現実


高市首相は「緊急時に税率を柔軟に変えるシステムの構築に向けた『新たな挑戦』だ」と語っているが、コロコロと制度を変えるのは現場の混乱を招くだけだ。また、「2年後に責任を持って元に戻す」と力強く語られても、言葉だけでは信頼できない。私自身、ビジネスの現場で「明日絶対に振り込みます」という力強い言葉が裏切られた経験を何度もしてきたからだ。

年5兆円にも上る巨額の財源を明確に示し、「絶対に大丈夫だ」と言える客観的な根拠が示されない限り、今回の消費税減税は危険きわまりない。将来に大きな禍根を残すのではないかと、強く危惧している。

投稿:2026年8月8日
シンガープロ 安藤秀樹



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