編集後記 1993年5月
● 外来受診に訪れた女子ハンドボール選手が、 大腿血腫と診断され、 緊急手術の目的で入院となりました。大腿血腫摘出手術は、過去にラグビー選手が2名いました。 今回で3例目になりますが、 ハンドボールの女性選手は初めてでした。
● 膝の抜釘と前十字靭帯再建の手術が2件あった日は、 手術が終わるのが午後3時頃とメドをたてて看護婦の仕事の分担を割り振りました。ところが、 午後1時に2件の手術が終了したので驚いてしまいました。 こんなことなら、 いつもと同じように看護婦の仕事の分担を割り振れば良かったと思いました。 それにしても、 前十字靭帯再建手術が2時間以内で終了するなんて、「これはひょっとしたら、先生は、 日本一の術者なんじゃないだろうか?」なんて思ってしまいました。
● 今月は、スキー選手の入院患者が多かったです。 しかも、オリンピックに出場している選手など、 世界レベル選手が同時期に7人もです。 こんなことはとても珍しいことだと思います。一般のスキー選手も含めれば、 スキー選手だけで11人入院しているという日がありました。
スポーツレベルの高い選手ばかりが入院していると、レクリエーションレベル選手の入院者は、多少なりとも精神的に落ち込む時期があるようです。 『ここの施設は、ハイレベルの選手を専門的にみている所なので、 自分は、場違いの所に来てしまった』 という気持ちではないかと思います。しかし、ご本人が、 直接口に出して言うわけではないので、 実際にどういう気持ちでリハビリに取り組んでいるのかわかりません。 レクリエーションレベルの選手には、レクリエーションレベルに応じた援助が大切となります。
● C型肝炎の学習会を行いました。「医療従事者は、感染しないように努めること。 もし、 感染した可能性がある場合には、血液検査を3ヵ月毎に1年間行うこと。 さらに、2次指定病院を受診すること。 C型肝炎の抗体陽性の選手がいた場合には、 内科の先生から、その旨を本人にお話していただき、さらに、2次指定病院の受診をすすめていただけるようにしてはどうか」と話し合いが行われました。
● Jリーグプロサッカーが今月の15日から始まりました。 当所に入院していた選手も出場しているので、興味深く観戦することができます。 当所の医師が、 名古屋グランパスエイトのチームドクターを受け持っているので、 試合中に負傷した選手がでると、駆け寄って行かれる先生の姿がテレビに映しだされたりします。
● 今月の25日から、阿久比高校の身体計測が始まりました。
● 急に手術が決まって、 1日に3件手術という日が立て続けに2回ありました。 しかも、1日に1名感染症の選手がいるという具合で大変でした。 6月9日の浩宮さま 雅子さんの結婚の儀で手術日が休みになったのが響いているようです。
旧 (財)スポーツ医・科学研究所
ナースセンターだより1993年5月
元 診療部 主任看護師 安藤秀樹
ナースセンターだより
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