スポーツ医・科学研究所には貴重なデータがたくさんあります ナースセンターだより1995年8月
貴重なデータを埋没させないで!!
当研究所には、貴重なデータがたくさんありますが、それらのデータが十分に活用されていないのが実情です。
例えば、 外来診察時に使用するACL フォロー用紙ですが、 最後の項目に手術に対する患者の評価があります。
1. 大変満足 (他人にもすすめる)
2. まあまあ満足
3. わからない
4. やや不満
5. 大変不満
医師は、ACL再建手術を受けた患者から手術の満足度を尋ねて、 1、2、3、4、5 のいずれかに○をつけます。
そしてこの用紙はこのまま外来カルテの裏に貼り付けられます。
あとから集計したい場合は、外来カルテを探してきて、手作業で集計することになります。
しかしこの作業はなかなか大変な労力です。
全外来患者からACL再建を受けた患者のIDNoを探して、カルテ保管庫に行って、カルテを引っ張り出してきて、さらにカルテの裏に貼ってあるACLフォロー用紙を広げてアンケート番号を拾いだすのです。
さらにスポーツ種目別に調査しようとしたらほとんどお手上げです。
これほどの労力を費やしてまでして調査する人がいないわけですから、 結局このデータは眠ったままとなります。
以前、医師が学会発表の目的で、ACL再建を受けたハンドボール選手の術前術後の評価を調査したことがあります。
カルテ保管庫から必要カルテを探し出してきて、机の上に山積みにされたカルテからデータを拾い出しました。
しかし、カルテにはデータ (KT-1000値、大腿周径、 ADSなど)の記載のないカルテもあって、データ集計には大変苦労されました。
将来どういう研究をしたいのか、どういうデータが必要なのか、どうしたらデータが活用されるのかを計画性をもって考える必要があります。
現在コンピュータという大変便利な機械があります。
この機械を十分に活用したらどうでしょうか。
こまめにデータをコンピュータに入力しておけば、カルテ保管庫に行って、カルテを引っぱり出して、机の上にカルテを山積みにしてという光景がなくなると思います。
例えば、上に取り上げた ACL フォロー用紙にある “手術に対する患者の評価” の集計は、コンピュータ画面上で瞬時にできるのです。種目別集計も、いとも簡単に算出してくれます。
看護婦が測定している体脂肪率の値をコンピュータに入力すれば、女性のACL再建後の種目別体脂肪率の標準値表を作成することができます。
しかし残念なことに現在、コンピュータにデータを入力する人材が不足しています。
入院患者、外来患者、阿久比高校のデータ入力などもあります。
データ入力専門の人件費を惜しまなければ、もっと効率良く当研究所・診療部の仕事が回っていくと思います。
旧 スポーツ医・科学研究所
ナースセンターだより1995年8月より
元 診療部 主任看護士 安藤秀樹
ナースセンターだより
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