スポ研ナースセンターだより


● 右膝前十字靭帯の再建手術を受けたハンドボールの女性選手が、今度は試合中に反対側の前十字靭帯を損傷して、先月当所で前十字靭帯の再建手術を受けました。秋に行われる愛知国体に出場することを楽しみにしていただけに残念無念でした。でも今では他の入院患者と楽しく談話したり、とても明るく入院生活を送っています。

● 外来診療で足部三角骨障害の症例が意外に多いことを知りました。今月には4名の症例をみました。ある医学書には、足部三角骨を有する割合は全体の3〜13% と記されています。しかし、実際にはもう少し多いのではないかと思います。足部三角骨障害を有する症例4名の内1名の選手はブラジルでプロサッカーチームに所属していた選手で、医師より、「サッカーを続けるのであったら、ぜひ手術した方が良い」と手術を勧められました。ご本人は完治を望んでいたので、手術を快諾し、外来受診の5日後に当所に入院し、その翌日に手術となりました。手術後の経過はきわめて良好で、手術後9日目に退院となりました。これで、ブラジルに戻ったら、サッカーを思う存分プレイできるようになると思います。

● 入院患者で皮脂厚測定を希望する選手には、1週間に1回の割合で皮脂厚測定を実施しています。キャリパー法で測定していますが、これがなかなか難しいのです。皮膚をつかむ位置がわずか1cmでもずれると、皮脂厚計の針の示す値が 0.5mm〜1.0mm程は簡単に揺れ動いてしまいます。1週間前の測定部位と1週間後の測定部位は同位置でなければいけません。マジックでマーキング (印をつけること)でもしておかないと、測定部位を忘れてしまいそうです。それでもなんとか実施している皮脂厚測定ですが、選手には大きな励みになっているようです。特に男性選手は、筋肉の増量には神経質なほどに敏感に反応します。胸囲を測定して欲しいというので、 胸囲を測定しようとすると、午前の測定ではなくて、夕方に測定して欲しいと言ってきます。 午後のウェイトトレーニングをしっかり行った後の方が、 筋肉が増えて胸囲が増えていると考えているからです。時々、彼らは身体をカッコ良くすることに主眼をおいてトレーニングに励んでいるのか、競技能力のパフォーマンス向上に主眼をおいてトレーニングに励んでいるのか疑問に思うことがあります。でもひたむきに取り組む彼らの姿には妙に微笑ましさを感じてしまいます。

● 今月は、オリックスのイチロー選手が200安打日本記録を達成し、中日ドラゴンズの大豊選手が本塁打記録達成と明るいスポーツの話題に目が離せない月でした。

中日ドラゴンズのセリーグ優勝に向けての破竹の勢いの連勝には興奮してしまいます。

また当所を利用していたシャンソン化粧品の一乗アキさんがアジア大会の聖火最終走者に決まったことを知ったときはとても嬉しく思いました。

しかし名古屋グランパスエイトのリネカー選手の引退表明には寂しい思いがいたしました。

スポーツ医・科学研究所
ナースセンターだより1994年9月
診療部 主任看護士 安藤秀樹

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