スポ研ナースセンターだより


1.はじめに
肩関節形成手術を受けた5名のスポーツ選手についてご紹介します。

2.症例報告
【症例1】
男性 19才
スポーツ種目:野球
スポーツレベル:B(当所ナースセンター判定基準による)
手術名:左バンカート手術(昭和63年12月)
入院時所見:地面すれすれのボールをキャッチする時に脱臼感あり。
受傷機転:昭和63年春練習中に亜脱臼。自己整復。以後3〜4回脱臼。


<入院中の経過>
省略

【症例2】
男性 17才
スポーツ種目:野球
スポーツレベル:D(当所ナースセンター判定基準による)
手術名:右肩バンカート(昭和63年12月)
入院時所見:思いっきり投げれない。はずれるような感じがする。
受傷機転:腕相撲で友達と力比べをしていて右肩を捻り脱臼(筋肉がはずれた感じがした)。自然整復。以後体育授業の柔道・ハンドボールで4、5回脱臼。この間に左肩も4、5回脱臼。

<入院中の経過>
省略

【症例3】
女性 22才 左利き
スポーツ種目:ハンドボール
スポーツレベル:B(当所ナースセンター判定基準による)
手術名:○左肩バンカート(平成1年1月)
    ○右肩バンカート(平成1年2月)
    ○左肩モビリ(平成1年6月)
入院時所見:寒い日に左肩がズキズキ痛む。寝ていても怖い。
      思いっきりボールが投げれない(50%以下の力)。
受傷機転:S56年冬(高校1年)、試合中に相手選手と衝突して右肩脱臼。自己整復。近医にて2週間体幹固定。S61年9月、左肩脱臼。自己整復。S62年5月、試合中に右肩脱臼。自己整復。
S63年11月、試合中に左肩脱臼。監督が整復。当所入院までに右肩3回脱臼(自己整復2回、監督整復1回)。左肩2回脱臼(自己整復1回、監督に整復1回)。

<入院中の経過>
省略

【症例4】
男性 19才 
スポーツ種目:ボクシング
スポーツレベル:D(当所ナースセンター判定基準による)
手術名:左肩ブリスト手術(平成4年5月)
入院時所見:新聞配達していると腕がしびれてくる。
受傷機転:16才の時、ラグビー試合中、左腕を後方にもっていかれて脱臼。以後6、7回脱臼。

<入院中の経過>
省略

【症例5】
男性 19才 
スポーツ種目:ラグビー
スポーツレベル:D(当所ナースセンター判定基準による)
手術名:右肩ブリスト手術(平成4年6月) 
入院時所見:前方apprehension(+)
受傷機転:高校3年の夏、ラグビー試合中、タックルにて右肩脱臼。自己整復。以後数回脱臼。

<入院中の経過>
省略


考 察


 バンカート手術症例が3名、ブリスト手術症例は2名であった。バンカート手術症例2名は手術後の可動域が思わしくなかったため手術後に授動術を施行した。一般にバンカート手術は術後創部痛の訴えが多い。それは関節包を縫縮しているためだと考えられている。

 患者が一番苦痛なのは創部痛である。いつまでたっても消失しない頑固な痛みは患者を不安に陥らせる。患者には痛みの原因を説明し安心させることが必要である。また手術後の可動域が思うように改善してこないと、不安になる患者がいる。特にスポーツ選手はいついつまでに復帰を果たさなければいけないという気持ちがあるので、その不安は大きい。看護する側としてはその面の精神的アプローチが大切となってくる。

 最近、新しい手術方法が取り入れられた。症例5は、骨を止めるのにチタン製のスクリューを使用した。チタンは材質的に軽く、頑強である。しかも手術後疼痛の訴えがないなど良好である。今後ブリスト手術にはこの方法が主流になるのではないかと思われる。

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