スポ研ナースセンターだより


わたしたちのスポーツ医・科学研究所では、職員が少ないので、医師も看護婦も理学療法士も研究員もレントゲン技師も皆さん大変だと思います。少ない人数の中で、皆さん精一杯頑張っています。

ここにその一例を紹介します。

下記は、ある医師の勤務状況です。

ある火曜日の午前11時30分、10数名の入院患者が、午前のリハビリが終わって病室に戻ると、医師は入院患者の診療を始めました。創傷処置もあれば診断書の記入もあります。それらの診療が終わったのが午後12時50分。
すでに外来の待ち合い室では外来患者がずらっと並んで座っていました。医師はそれを横目で見ながら走り抜けてゆき、所長室で、あわてて10分で昼食を済ませると、すぐ診察室に戻って行き、待合室で待機の外来患者の診察を始めました。その中には今日外来予約していなかった名古屋グランパスエイトの選手が3名いて、急に診察をして欲しいとのことで、医師は、「少し大変だなあ」という面持ちで診察を始めました。その上、診察の合間にはレントゲンのストレス撮影に呼ばれたりするので、その都度診察室の席を外します。 その間にも、次から次ぎへと外来患者が訪れて、診察室の西側のテーブルの上には外来カルテが山のように積まれました。

診察していると、今日入院しなければいけない選手が出てきました。その選手には外来が終わる夕方まで待っていただいて、外来後に手指骨折の整復と固定をレントゲン室で行うことになりました。 医師はその選手の入院の指示箋を書き終えると、すぐに外来患者の診察を始めました。すると理学療法士が中に入ってきて、「診察して欲しいポーランドの女性のマラソン選手がいるのですが」と診察を依頼してきました。「いいですよ」と引き受けると、今度は名鉄の合宿所に宿泊していた野球選手が練習中にボールが頭部に当たったのですぐに診て欲しいと電話が入って、この選手も診察することになりました。そうこうしていたら、今度は阿久比高校の生徒5名が身体計測に来て、てんやわんやとなりました。
医師は、途中全く休憩することもなく、緊急入院選手の手指骨の整復固定を行いました。
外来診察が終わったのは午後6時でした。

レセプトの点検もあるということで、かもめレストランで簡単に夕食を済ませ、外来患者と入院患者の診断書や入院経過録の書類等を作成。レセプトの点検は受付が「今日はレセプトが出来上がらない」と言うので、それならということで医師は自分の部屋に戻りました。

すると病棟から「診てほしい入院患者がいるから来てほしい」と電話が入って、再度病室に行くことに。入院患者を診てから再び自分の部屋に戻ると、今度はハンドボール選手の前十字靭帯損傷に関しての研究課題に着手。ハンドボール選手の膝疾患のデータをコンピュータに入力し終えると、今度は、当所の事務局長から依頼されていた名古屋商工会議所への原稿を書き上げなければいけないとのことで、引き続きコンピュータに向かって原稿を書き始めました。自筆で挿し絵まで書かれて、それが終わったのが午前1時でした。こんな時間には自宅に帰れないということで、私の家に泊まって、床に入ったのが午前2時過ぎでした。

午前7時に起きて職場に着いたら、毎週水曜日にお手伝いに来所している医師から「今日は、そちらに行けなくなりました」と電話が入りました。 医師はこの日は先生一人だけになり、手術に看護婦を1名つけても人手が足りません。理学療法士にご無理を言ってお手伝いに来てもらいました。それでなんとか午後1時に手術が終了。 外来は午後1時からでしたので、あわてて手術室から出てきて、すぐに手術記録を書き、慌ただしく昼食を済ませて診察室に入ると、今日予定していなかった筈の阿久比高校の生徒4名が身体計測に来ていたのでびっくり。予定していなかったものの、せっかく当所に来てくれたので、測定することになりました。その間に一般外来も並行して行い、外来診察中に入院患者の処置も行いました。

午後5時30分から全体会議が始まるので、それに間に合うように診察を急ぎました。

全体会議終了後、書類作成などの残務を行った後で自宅に帰られました。

以上はある医師の2日間の勤務状況ですが、随分大変であることが分かると思います。
私はいつも医師に敬服しています。
医師に限らず、研究所全体が少ない人数の中で仕事をしています。ですから仕事に相当な無理もあると思います。でも、そんな境遇におかれても職員一同 精一杯頑張っています。
もう少し職員が増えたら、余裕が生まれて良いのにと思いますが、それも現状ではなかなか厳しいようです。
基金の面など研究所の将来に不安がないわけではありませんが、職員の皆さん、頑張って仕事して参りましょう。

スポーツ医・科学研究所
ナースセンターだより1995年2月
診療部 主任看護士 安藤秀樹

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