編集後記 1994年6月
● リハビリの先生は本当によく仕事しておられます。日曜日でお休みだというのに、入院患者のテーピングチェックに病室にこられていました。平日は夜遅くまで付きっきりで選手の面倒をみておられます。ご自身の時間を犠牲にしてまでもスポーツ選手の復帰に向けて一生懸命尽くされる先生の姿勢に敬服いたします。
● オーバーユースによるスポーツ障害を患った選手が手術を受ける場合、手術してスポーツ復帰できるのか、 あるいはスポーツ生命が断たれるのかが分からない場合があります。
決死の覚悟で手術に望み、復帰を果たした一流選手がいます。
当所入院中の選手をみていると、手術を受けるか否かで相当に悩み、結局手術を断念する選手がいます。
手術を受けることが決して良いのではありませんが、手術を迷っていて、結果手術を受けて良かった選手がいました。
だから、手術に踏み切れないでいる選手を見かけると、「手術を受ければ良いのに」とつい思ってしまう時があります。
手術を受けるか否かで迷うのも、 その選手の能力だと思います。
選手の潜在能力がいくら高くても、その能力が十二分に発揮されなければ、その選手の能力は発揮された時点での能力がその選手の能力なんだと最近思うようになりました。
悲しいことですが、 ケガをするのもその選手の能力の1つだと思います。
● 今月はトヨタ自動車ラグビー部員のメディカルチェックがありました。
チェックしていて、 膝半月板損傷、変形性頚椎症などの故障箇所が明らかになった選手が数名いました。
選手がご自身のケガを自覚することは、非常に大切だと思います。そういう意味で定期的なメディカルチェックは必要だと思います。
最近、スポーツドックなども含めて、受付が気を利かせて外来診察の予約表にしっかりメディカルチェックを要する選手の名前も記載してくれるので本当に助かります。
もし予約しないでメディカルチェックの選手が来られると外来がパニックになることが予想されるからです。
● アルペンスキーの選手が、某大会でコースアウトして膝の靭帯4本を損傷し、今月末、当所にリハビリ入院しました。 野球の吉村選手(巨人)が膝の靭帯を3本切断して復帰したケースがありますが、 彼の場合も吉村選手と同様な状況ではないかと思います。
現在の彼に落ち込んでいる様子は見受けられません。今年秋に膝靭帯の再建手術を受けて、2年後に復帰して、4年後の長野オリンピックを目指したいと話しておられました。
●栄養相談 第2弾!
「スポーツ選手の栄養講座」と題したA4の文面をセロケースに入れて、それを“かもめレストラン”の入院患者が座るテーブルの上に見えるように置くことになりました。
食事中に入院選手がこれを見て、スポーツ選手の栄養について勉強してもらいたいと看護婦が考案しました。これはシリーズもので、月に2回、担当看護婦が書き換えることになっています。
この文面に描かれている漫画のスポケンくんがとてもかわいいので、当研究所のマスコットにしてみてはいかがでしょうか?
旧 (財)スポーツ医・科学研究所
ナースセンターだより1994年6月
元 診療部 主任看護師 安藤秀樹
ナースセンターだより
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スポーツ医・科学研究所
ナースセンターだより1994年6月
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