スポ研ナースセンターだより


● 9月8日に行われた陸上日本学生対校選手権大会の槍投げ競技で、中京大学の植 徹選手が日本歴代4位にあたる今季日本最高の77m92cmをマークして初優勝しました。
彼は平成4年12月に当所に入院していました。
槍投げの練習で足部の舟状骨を疲労骨折して歩行困難となって、当所で骨接合手術を受けました。
当時は美作高校の2年生でしたが、随分大人びていて、口数の少ないしっかりした青年であったように思います。
彼はケガをする少し前に、72m26cmの快記録を出していて、将来を期待される大器と騒がれていました。
高校卒業後は中京大学に進学しましたが、手術した足の具合が良くなかったのでしょうか、 記録が伸び悩みました。
昨年はさらに腰を痛め、槍投げに対する情熱が冷めてしまったそうです。
そんな彼も腰の痛みが和らぐと、思い直して、冬場は腹筋や背筋を鍛え、故障しない体づくりに努めました。
その甲斐あって、大学3年の今年に4年ぶりに自分の高校時代の記録を更新しました。
思えば長い道のりでした。
これで彼に明るい兆しが見えてきました。
これからますます精進して、願わくは日本記録を樹立して欲しいものです。

● アメリカ大リーガーの野茂英雄投手が、9月17日の対ロッキーズ戦で、日本人として初のノーヒットノーランを達成しました。
思えば1年半前、日本のプロ野球連盟の非難もある中、単身、メジャーリーグという厳しい場に乗り込んだ彼でしたが、アメリカの風土に彼の体質が合っていたのでしょうか、プロ選手として見事な成果を収め、私たち日本人に感動と勇気をあたえてくれました。
ノーヒットノーラン達成間近の時には、敵陣であるロッキーズの応援観客席からも「ノモ!」 コールが大連呼したそうです。
敵味方、人種の違いに関係なく、偉業を成し遂げようとする選手に心から拍手を送る、これは本当に素晴らしいことです。
その昔、ベルリンオリンピックの陸上競技のトラック10000m走に出場した小柄な日本人の村越講平選手は、終始果敢に先頭を走り、オリンピックメーンスタジアムに感動を巻き起こしました。
観戦していたドイツ人始め各国の人々から「ムラコソ! ムラコソ!」 の大声援がメーンスタジアムにこだましたそうです。
感動は人種の違いを越えて世界中の人々の心を一つにしてしまうようです。
スポーツは世界を結ぶ意味で本当に素晴らしいものですね。

● 今年の1月に行われた箱根駅伝に出場した選手が、足のケガで今月当所に入院してきました。
彼は中央大学の学生で、今年の箱根駅伝の復路6区を走りました。
彼はこの区間で、先頭を走っていた早稲田大学の選手を抜き去り、中央大学優勝に大きく貢献した選手です。
現在、彼は足のケガ (立方骨 第5中足骨開放性骨折)で走るトレーニングができていません。
足底板を使用して少しずつジョグを開始する段階でいます。
彼は来年1月に行われる箱根駅伝に出場したいそうです。
しかし箱根駅伝までは残り3カ月間しかありません。 間に合うのでしょうか?
無理は禁物ですが、何とか来年1月の箱根駅伝に出場して、彼の快走をテレビで観戦できたら幸いです。

スポーツ医・科学研究所
ナースセンターだより1996年9月
診療部 主任看護士 安藤秀樹

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