スポーツ医・科学研究所開設満5周年記念事業 国際スポーツ医・科学セミナー 1993年6月
日本と世界の比較から今後の方向を探る
INTERNATIONAL SEMINAR ON SPORTS MEDICINE & SCIENCES IN NAGOYA
スポーツ振興基金助成活動事業
講演錄
ごあいさつ
財団法人 スポーツ医科学研究所
理事長 梶井健一
本日は、私どもが企画しました開設5周年記念事業にご参加いただき誠にありがとうございます。また、ご多用中にも拘らず講師をお引き受けいただいた先生方をはじめ、運営に対し、物心両面において絶大なるご援助をいただきました文部省、 日本体育・学校健康センターなど多くの団体、企業の皆様に、心より御礼申し上げます。
さて、当研究所は昭和61年6月、名古屋商工会議所の呼びかけでわが国初のスポーツ医・科学の総合研究機関としての財団が設立され、2年後の昭和63年6月には阿久比町に研究所がオープンいたしました。 それ以来、本日で財団は満7年、研究所は5年をそれぞれ迎えることができました。
この間、多くの企業や団体をはじめ日本自転車振興会等の財政面での多大なご援助に支えられ、スポーツ界にいささかなりとも貢献が出来、 また今日まで順調な歩みが出来たものと関係者一同、心より感謝申し上げております。
私どもは研究の基本を
① スポーツによる障害の予防と治療、
②スポーツを利用した健康管理、
③ 競技能力の向上、
の3つに置いてまいりました。
スポーツ障害を持った人が現役復帰できるように診療や手術及びリハビリテーションを行っているほか、最新の運動生理学と体力測定に基づくスポーツ診断を開設し、広く一般に開かれた研究所として事業を進めて参りました。
最近の国民的なスポーツや健康指向ともあいまって、 スポーツ医・科学の研究は徐々に注目をあびており、わが国でも幾つかの大学など研究機関が同じような研究を始めております。 特に、 わが研究所では多くの選手が手術や治療を受け、立派に現役に復帰したのをはじめ、スポーツ診断を利用されるスポーツ選手や団体もいろいろな種目に亘って順調に増加しております。
今後とも、初心忘れる事なく、多くの方に愛され、信頼される研究活動の財団として努力する所存でございますので、皆様方の一層のご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。
平成5年6月11日
ごあいさつ
財団法人スポーツ医・科学研究所
常務理事・所長 松井秀治
スポーツ医・科学研究所開設満5周年記念事業 「国際スポーツ医・科学セミナー」 のプログラムを提供するに当って一言ごあいさつを申し上げます。
近年の日本におけるスポーツ医学や科学に関する研究の活性化には目を見張るものがありますが、これらの活動や成果のスポーツ現場への具体的対応や活用となると、未だ世界の動きとかなり距離があるといえましょう。
(財)スポーツ医科学研究所はこの距離を少しでも縮めるための具体的場づくりを目ざして創設、ここに創設7周年、開設満5周年を迎えました。
漸く幼児期を脱し児童期の歩みを始めることとなりました。
本セミナーは児童期の歩みの第1歩として、改めて世界のスポーツ医・科学の取り組み方や研究成果活用の在り方について、 現状把握に加え質量に亘る国際スポーツ活動の多彩化、スポーツ人口の激増にともなうスポーツ医・科学課題の多発等に対応し得る、 スポーツ医・科学の役割とその具体化の未来展望を目ざしての働きかけであります。
幸にして私どもの願望を受け、現在スポーツ医・科学研究分野での世界の最も優れたリーダーであるエリクソン教授 (スウェーデン、カロリンスカ研究所、 医学)とコミー教授 (フィンランド、ユベスキュラ大学、 科学)、並びに日本を代表する国際的生理科学者江橋教授 (岡崎国立共同研究機構)の三先生に、それぞれの立場から御講演を賜ることとなりました。
また、第2日には外来の二先生を交え、 日本におけるスポーツ医・科学研究の現役研究者で特にスポーツ現場への適応と積極的に取り組まれている山地 (富山大)、 石井 (札幌医大)、 矢部 (名古屋大)、 川村 (名古屋大)、 根本 (日本女子体大)、 小林 (東京大)、 宮下 (東京大)、 中島 (東京大)、 福永 (東京大) の諸先生方に、スポーツ医・科学研究所のスタッフ (横江、 井戸田、 深代、 小林)を加えて、それぞれの取り組みを踏まえた御討論の場を設定させていただきました。 両日にわたる御講演並びに御討論を通して御参会の皆様に本セミナーの目ざす、 スポーツ医・科学研究とその活用の新たなるエネルギーを感受いただければと念じています。
順序が逆になりましたが、 プログラムを提供するに当り、御講演並びに御討論をお引受けいただきました諸先生、また通訳の労をいただく森谷 (京都大) 、松井 (豊橋市民病院)の両先生に深く感謝申し上げます。 また、このセミナーにご参加下さいました皆様、更にセミナー開催に当り物心両面で御支援を賜りました方々に厚く御礼申し上げます。
本研究所の意図するところは大きくはございますが、現実は漸く児童期を迎えたばかりであり、本セミナーはその入学式ともいえるものであります。
所員一同更に懸命の努力をいたしますが、全てに亘って大きく育ちますよう、改めて皆様の一層の御指導と御支援を御願い申し上げます。
平成5年6月11日
旧 スポーツ医・科学研究所
元 診療部 主任看護師 安藤秀樹
投稿:2024年4月27日
ナースセンターだより