スポ研ナースセンターだより


● 先月9日に後十字靱帯の再建手術を受けたプロサッカー選手の手術後の経過は良好です。
そして彼は、日本サッカーチームが28年ぶりに五輪出場の切符を手にして沸いた今月25日に退院しました。
彼は手術後しばらく暗い表情が多かったのですが、退院前は他の患者と面会室で大きな声で楽しそうにトランプをしたり、テレビゲームに夢中になるなど明るくなっていました。
検温の時に彼に、「きっとよくなるから頑張って下さい」とお話したら、「きっとよくなるからではなくて、絶対によくならないといけないから」 と言い返されてしまいました。
スポーツ復帰に向けての意欲が相当に強いと感じました。
さすがに超一流のプロ選手は違いますね。
彼は、きっと怪我を克服して見事にカムバックを果たしてくれると信じます。
うまくいけば、ひょっとしたら絶望的と思われていたアトランタ五輪に出場できるかも知れません。
出場できたらそれは本当に素晴らしいことですね。

● 大腿部に肉離れを起こした陸上の女性長距離走選手がいました。
昨年12月から当所にリハビリ入院していて、今月末に退院しました。 退院時には、まだ患部がすっきりと治っていなかったので、彼女は相当悩んでいました。
彼女は、「当研究所のリハビリの先生に指導していただいた内容のトレーニングを続けたい」と話していました。
しかし、 問題は監督との関係です。
「退院すれば、監督は私に皆と同じトレーニングを課すと思います。 皆と同じトレーニングをすれば私はまた悪くなってしまいます。どうすれば良いでしょうか」 と。
彼女自身が監督にその旨をはっきり伝えれば良いと思いましたが、どうも監督には話にくいようです。
そこが彼女の一番の悩みだと、彼女の話を聞いている内にわかりました。
一番良いのは、医師と監督と本人の三者が膝を交えて話し合うことだと思います。しかしそのような機会を設定することは難しいようです。
選手にとって監督がいかに大きな存在であるのかが痛いほどわかりました。
かわいそうとも思いましたが、それだけ彼女の陸上に対する気持ちがいかに真摯なものであるのかも感じました。

● 当所で前十字靱帯再建手術を受けたバスケットボールの女性選手が、 今月24日夜より不安感が出現し、髪を切ったり、ティッシュペーパーをまき散らしたりして落ちつかなくなりました。
もう一人の自分が 「首をしめたら楽しいよ」と言っているのが聞こえてきて、両手で耳を押さえて、首を横に振ったり、息を荒くしたりする苦悶状態が出現しました。
25日の夜は当直看護婦一人では何かあった時に対応できないので、二人の看護婦で当直しました。またご両親もお呼びして付き添っていただきました。
精神的不穏の原因ははっきりわかりませんが、ただ言えることは、非常に真面目な人柄だったということです。
幸い現在は、専門の先生に診ていただいて、 精神的に随分落ちついてきています。
相手に申し訳ないと思ったり、自分を責めてはいけないと考えさせられました。

● 阿久比高校の身体計測と筋力測定は、来年度の平成7年度入学者3回目の測定で終了予定です。
スタッフの皆さん、あと少しですから頑張りましょう!

スポーツ医・科学研究所
ナースセンターだより1996年3月
診療部 主任看護士 安藤秀樹

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