スポ研ナースセンターだより


● 11月19日(日)に第17回東京国際女子マラソン大会が行われました。
当スポーツ医・科学研究所を利用していたダイハツの浅利純子選手が優勝しました。
レースは38キロ手前で先頭5人中、浅利ら3人の選手が相次いで転倒するアクシデント。
起きあがって、追い上げにかかった時には、転ばなかった原万里子、エゴロワはもう70m先を行く。
「もうだめだ」 誰もがそう思った。
外堀通りの急な上りを驚異的なハイピッチで走り抜けた。
その差が徐々に縮まる。奇跡が起こった。
競技場入り口で浅利は、先頭の原に追いつき、トップで国立競技場に姿を見せたのだ。
しかし残り300mで原が浅利を抜き返す。
今度こそやはりだめかと思った。『浅利、 頑張れ!』と祈った。
浅利が再び残り150mでかわしてスパートした。
原はつけない。 原、エゴロワに抜かれる。
浅利が優勝のテープを切った!
エゴロワ2位、原3位であった。
その差わずか数秒。
壮絶なレースであった。
浅利選手は、ゴール後、鈴木監督の胸に飛び込んで声を上げて泣いた。
見ていた私も思わず涙が出て泣いてしまった。
壮絶な勝負の世界、 『苦しかったろうな。ここまでくる道のりは本当に苦しかったろうな』と思うと、また涙が出てしまった。
鈴木監督もきっとサングラスの下で号泣していることだろうと思った。
スポーツは本当に素晴らしい。
観戦している私たちに感動と勇気を与えてくれる。
私は「このマラソンを観戦できて本当に良かった」と思いました。

● 陸上女子長距離走の選手が、足部の舟状骨疲労骨折の治療で今月当所に入院してきました。
現在、当所で合宿治療中です。
彼女は来年1月に行われる大阪国際女子マラソン大会に出場する予定でいましたが、怪我のために、来年3月に行われる名古屋国際女子マラソン大会に照準を変更しました。
現在エアロバイクと水泳のトレーニングをしていますが、ランニングは治療のために一切行っていません。
彼女の所属する会社は、現在部員が少なく、駅伝出場にはメンバーがぎりぎりの人数であるため、12月10日に行われる全日本実業団駅伝に彼女が出場するように会社から要請されています。
それで彼女は相当に悩んでいます。
名古屋国際女子マラソン大会で良い成績を収るためには、今は無理をしたくない。 これが彼女の本意です。
12月10日に走るか否かは監督とよく相談して決めるそうです。
彼女は有力な選手です。
私個人としては名古屋国際女子マラソン大会で名をあげて欲しいと願います。
今後のことはどうなるのかは分かりませんが、実業団に所属するスポーツ選手は会社との間でいろいろなジレンマや葛藤があって大変です。

●フェンシングの女性選手が、膝の前十字靱帯再建手術を受けてからずっと微熱が続いています。倦怠感もあって心配していましたが、膝関節液の培養検査の結果は陰性でした。
今後しばらくは経過観察となります。
最近ひさびさに明るい笑顔がみられたので、安心しました。
「来年3月、彼女の念願通りにアトランタオリンピックの選考会に間に合いますように」と主治医である井戸田仁先生とともに心からお祈りしています。

スポーツ医・科学研究所
ナースセンターだより1995年11月
診療部 主任看護士 安藤秀樹

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