スポ研ナースセンターだより

スポーツ医・科学研究所オープン年(1988年)に制作されたパンフレット









財団法人 スポーツ医・科学研究所
Institute of Sports Medicine and Science
基本財産:1億5,000万円(昭和63年3月31日現在)
設  立:昭和61年6月25日
登記完了:昭和61年7月7日
監督官庁:文部省

Research of Sports Medicine and Science
(スポーツ医・科学研究)
活力ある人づくりを求めて、今、新しいスポーツの有り様。

その昔、ローマの詩人、 ユベナーリスが残した 「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という名言は、悠久の時を越え、普遍の真理として我々の人間社会を支えています。
健康こそが幸福の源であり、充実した生活を送るための基本的条件であるという人々の意識を反映し、新しい意味での仲間づくりや心の健康を加えた豊かな生活創造の手段として、 今、大きくクローズアップされつつあるスポーツ。
このスポーツを医学的・科学的見地から多面的に研究し、その成果を診断・診療・研修・広報等を通してスポーツ界及び一般社会へとフィードバックしていくインター・フェイスとして、また、この分野におけるわが国のシンクタンクとして、財団法人スポーツ医・科学研究所は誕生しました。

医学と科学が一体となったわが国初のスポーツ総合研究機関

財団法人スポーツ医・科学研究所は、スポーツに関する医・科学研究活動を核として、医学に基づく診療部門、科学に基づく技術や体力等のスポーツ診断部門が研究の成果を実践する対外的な窓口として独立した形で存在します。
さらにコーチや選手等を対象とした各種の研修会、 スポーツ医・科学情報を提供する研修部門がより積極的な形で一般社会と接します。
ここでの研究が最善の形で社会に貢献できるよう、各部門が相互に関連し合ってその機能を営んでいるのです。
診療・診断の窓口は、スポーツ整形外科、リハビリテーション等の理学療法科、内科系の健康管理科といったスポーツ外来や、スポーツ・ドックを主な接点とするスポーツプロモーションからなり、必要により総合的に対応するためのシステムが組まれています。

[研究活動]
スポーツ整形外科学、理学療法学 、循環器内科学、生化学・栄養化学、運動生理学、バイオメカニクス等の研究者が、スポーツを各分野から専門的に研究します。 さらに内外の大学、研究機関、関連企業との協同研究を積極的に推進し、スポーツに関する総合的な情報センターとして機能します。そして、これらの研究成果は診療・診断・研修部門、さらに新たなスポーツ機器・用具の開発を通じて広くスポーツ界にフィードバックされます。

[スポーツ外傷・障害に関する研究]
スポーツに特徴的にみられる外傷・障害の原因究明、予防、 および効果的治療に関して研究を進めます。障害の部位、状態とその発生状況の関係を詳細に分析すると共に、バイオメカニクスの立場からスポーツの動作を分析し、原因の究明、予防に役立てます。 一方、スポーツ整形外科を中心に、現場復帰を早める手術法等の治療法を研究・開発します。このように医・科学の総合的研究を通して、スポーツ外傷・障害からのスポーツ現場への復帰方法を探ります。

[スポーツによる健康管理の研究]
スポーツを楽しむために最低限必要な体力について循環器内科学、スポーツ生理学を通じ研究します。具体的には、心肺機能・循環機能を中心とした健康づくりのための運動処方や、仕事や運動を順調に導いていくためのプログラムの開発、また職場環境についてのアドバイスも行ないます。

[競技能力向上の研究]
人間の持っている能力を最大限に生かすための様々な研究を行ないます。選手の持つ能力を見極め、スポーツ生理学とスポーツ・バイオメカニクスの両面から競技能力の向上を図ります。スポーツに必要な体力に関する研究、スポーツにおける合理的な動きに関する研究、効果的なスポーツ用具・トレーニング機器の関発に関する研究、合理的な測定機器の開発による研究等を通してスポーツ能力を最高レベルで発揮できるよう研究を重ねます。


スポーツ整形外科と理学療法科、健康管理科(内科系)に分かれ、研究成果をもとに臨床医学を推進。
研究の成果が、ここに実となる。

[診療部門]
スポーツ外傷・障害の診断・治療と、原因の究明、 スポーツ復帰までのスポーツ・リハビリテーション、 スポーツを行なう人を対象とした健康診断を行ないます。
スポーツ外傷・障害の治療は、それらの発生前のスポーツ活動のできる状態への復帰がみられて、はじめて治療が完了したといえます。 これには一般臨床治療に加えて、理学治療を始めとする各種のメディカル・リハビリテーション、 それに引き続いてのアスレチック・リハビリテーションが必要です。 スポーツ医学・科学が一体となったシステムを最大限に活用し、各種のスポーツ外傷・障害に対応します。

[スポーツ整形外科]
スポーツ外傷・障害の診断を行ない、スポーツ復帰を前提とした手術のほか、原因究明のための特殊治療を行ないます。

■ 特殊治療
スポーツ外傷・障害の原因究明のために、その原因となるフォーム、スポーツ用具、身体的特性をスポーツ科学的手段を用いて解明し、装具療法、 フォームの矯正、筋力トレーニングを始めとする治療を行ないます。

■ 手 術
スポーツ医学の専門スタッフと最新鋭の機器を駆使することによって、スポーツ種目の特殊性を考慮した早期復帰をめざす手術を行ないます。

[理学療法科]
スポーツ外傷・障害に対する様々な理学療法を行ないます。 具体的には、筋力不足、痛み等のために生じる機能障害に対して、 筋力トレーニング等の運動療法、温熱等を用いた物理療法、さらにテーピング、 足底板等を用いた機能療
法を行ない、 スポーツ外傷・障害からの早期回復、復帰をめざします。

[健康管理科(内科系)]
内科的スポーツ障害の診断・治療と、健康づくりのための運動処方を行ないます。また、企業等の健康管理について、臨床的、体力科学的協力を行ないます。

■メディカル・チェック
血液・尿・血圧・レントゲン検査等、 スポーツを行なうために必要なメディカル・チェックを行ないます。

[運動負荷テスト]
運動中に呼吸、循環、心肺機能が正常に働いているかどうかチェックします。

■運動処方
健康診断、運動負荷テストの結果に基づいて、健康にスポーツを行なうための運動処方を指導します。
スポーツ生理学に基づく体力診断と、スポーツ・バイオメカニクスに基づく技術診断。
スポーツ・ドックは、 新しい形の診断システム。

[スポーツ診断部門]
体力診断では、最新のスポーツ生理学の研究成果をもとに、安全で信頼性の高い体力測定を行ない、身体の状態を分析。 年齢、性別、体力、スポーツ種目に合わせたスポーツ・プログラムを作成します。
また、技術診断では、最新のスポーツ・バイオメカニクスの研究成果をもとに、各種スポーツの技術を分析し、安全で効率の高い動作を指導します。

[体力診断]
人間の運動能力を
① 短時間に大きなパワーを発揮できる能力(瞬発力)
② その維持能力(筋持久力) そして
③ 長時間にわたって運動を続ける能力(全身持久力)の3つに分けて測定します。
これらの測定結果に、 身体計測の結果を加え、体力を総合的に判定し、目標のスポーツに最適なトレーニング・メニューを作成します。

[技術診断]
高速度ビデオによる運動フォームの撮影、運動中の筋活動の様子を表す筋電図の測定、運動により生じる力や振動の測定から、最新のコンピュータを利用して技術を分析します。 分析結果を一流選手の動作と比較し、より効率のよいフォームを習得するためのプログラムを作成します。また、障害を防ぐ安全なフォームも指導します。

[スポーツ・ドック]
医学的なスポーツ診療部門と科学的なスポーツ診断部門が協力、スポーツ医・科学研究所独自の新しいスポーツ・ドックです。 これから運動を始めようと思っている方から一流選手まで、専門のコースが揃っています。

研修・広報活動を通して研究成果をスポーツ界へフィードバック。
海外も含め、社会に開かれた研究所を指向。

[研修部門]
スポーツ選手・指導者、スポーツ臨床医、スポーツ行政担当者、企業内健康管理担当者等の専門家を対象に様々な情報提供を行ない、スポーツ界全体のレベルの向上に努めます。一方、スポーツ相談や広報活動を通して、従来のスポーツ・ライフに医・科学をとり入れた健康で快適な生活を送っていただくための啓蒙活動にも力を注ぎます。

● スポーツ選手、スポーツ指導者等を対象とした研修会の開催

● 研究成果等を取りまとめたスポーツ医・科学関係啓蒙誌の発行

● スポーツ医・科学関連の研究会・国際会議等の開催

● スポーツ活動に際しての様々な問題に対するスポーツ相談窓口の開設

各部門をバックアップする最新鋭の機器・設備、まさにシンクタンクを支えるハードにふさわしい。

[施設概要]
所 在 地:愛知県知多郡阿久比町大字卯坂字浅間裏49番
地2
敷地面積:15.832m²
延床面積:5.321㎡
規  模:地上2階
構      造:鉄筋コンクリート造
建設費総額:9億円
竣工年月日:昭和63年(1988年)6月10日

[1階]
① 正面玄関
② 玄関ホール
③ 外来診療室(3室)
④ 病室 (11室・19ベッド)
⑤ 手術室
⑥ 理学療法室
⑦ レントゲン室
⑧ トレーニングルーム
⑨ スポーツ医科学研究室
⑩ 生化学・栄養化学研究室
⑪コンピュータ室
⑫ 運動生理学研究室
⑬ 多目的体育館
⑭ 機械室
⑮ 室内温水プール (25m・5コース)
⑯ 水治療室
⑰ 男子ロッカールーム
⑱ 男子浴室・サウナ
⑲ 女子ロッカールーム
⑳ 女子浴室・サウナ
㉑ 研究室
㉒ 資料室
㉓ 会議室(1室20名)
㉔ スポーツ相談室
㉕ 喫茶・レストラン

[2階]
㉖ 研修室(2室・各50名)
㉗ 宿泊室 (12室・52ベッド)
㉘ ランニングトラック

[その他関連施設]
● 多目的グラウンド
(オールウェザー公認陸上競技場)
● 野球場(1面)
● 駐車場 (50台)

[機器一覧]
● スポーツ障害、機能回復訓練機器
・ 関節鏡システム
・ 物理療法システム
・ 心電図監視解析システム
・ 筋電図監視解析システム

● 基礎的研究設備機器
・ 検査用X線システム
・ 自動現像機
・ 動的筋力評価システム
・ アイソキネィックトレーニングシステム
・ トレーニングシステム
・ エアロビクストレーニングシステム
・ アネロビクストレーニングシステム
・ フリーウェイトトレーニングシステム
・ 運動療法システム
・ アスレチックリハビリテーションシステム
・ 床反力運動解析システム
・ 画像動作解析システム
・ 運動負荷試験システム
・ 形態測定システム
・ サーモトレーサーシステム
・ 自動肺機能測定装置
・ 超純水製造装置
・ 重金属処理装置
・ 電子走査型超音波測定装置

上記機器類は、日本自転車振興会の補助を受けて整備しました。

[本部]
名古屋市中区栄二丁目10番19号
名古屋商工会議所内

[研究所]
愛知県知多郡阿久比町大字卯坂字浅間裏49番地2

※(財)スポーツ医・科学研究所は、2022年4月に阿久比町「交流センター」に生まれ変わりました。

投稿:2024年3月7日
元 (財)スポーツ医・科学研究所 診療部 主任看護士 安藤秀樹

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