消費税減税より物価高対策を ― 高市内閣への注文
今朝の日経新聞によると、内閣支持率は62%に上昇したとのことだ。
これは高市内閣が支持されているということである。
政府は、2027年4月から2年間限定で食料品の消費税率を1%に引き下げ、同年に中・低所得者に現金を給付する方針を立てた。
高市首相は消費税の重要性をしっかり認識しており、減税期間は2年間と明言している。
しかし、1%に引き下げた食料品の消費税率を2029年4月に再び8%へ引き上げることができるかは大きな疑問だ。その時点で、物価高が続いていれば、再引き上げはほぼ不可能だろう。
2028年夏の参院選や2030年2月までに行われる衆院選を鑑みると、増税を掲げれば自民党は勝てないだろう。選挙に勝つためには、選挙前に税率引き上げ撤回を打ち出す発言が出てくるのではないだろうか。
そうなれば、日本経済は泥沼化し、社会保障は行き詰まることになるだろう。
消費税減税は、店舗の値札の張り替え作業やレジ改修など、現場に多大な負担を強いる。
また農業、水産業、外食産業には大きな打撃であり、小規模農家に関しては売上規模に応じた給付金で補填し、外食産業にはテイクアウト導入支援や資金繰り支援を検討しているようだが、こうした細々とした対症療法的支援策にエネルギーを注いでよいのだろうか。
政府は、消費税減税に走るのではなく、物価高を抑える政策に全力投球したほうが、より現実的で、日本の将来のためになるのではないだろうか。
食料品の消費税減税法案が秋の臨時国会で審議されるが、私はこの法案が成立しないことを切に願う。
高市首相への警鐘 ― 消費税は歴代政権を葬ってきた
高市首相は「私が責任をもって2年後に消費税率を元に戻す」と力強く語っているが、果たして過去の教訓を踏まえた上での発言なのだろうか。
日本の政治史を振り返ると、国政選挙の直前や直後に消費税の導入・増税を掲げた政権は、ほぼ例外なく大敗している。
○1979年 衆院選(大平内閣):一般消費税の導入を掲げて大敗
○1989年 参院選(宇野内閣):消費税3%の導入直後に大敗、参議院で初の過半数割れ(ねじれ国会)
○1998年 参院選(橋本内閣):消費税5%への引き上げ後に大敗、首相退陣
○2010年 参院選(菅直人内閣/民主党):消費税10%への言及直後に大敗
このように、選挙前後に税率の引き上げを打ち出すことは政治的な自殺行為に等しい。
減税導入から2年後の2029年春に税率を再引き上げすることは、2028年夏の参院選や2030年2月までに行われる衆院選において与党の大敗を招きかねない。
その冷酷な現実を、首相は今一度念頭に置くべきではないだろうか。
投稿:2026年8月31日
シンガープロ 安藤秀樹

