経済効果か、暮らしの安心か ―データセンター建設を考える―
550兆円の損失が問いかけるもの
日本経済新聞によると、今回のアメリカの中間選挙で民主党が圧勝したことを受け、世界の株式時価総額が1日で550兆円失われたという。
AIインフラとして欠かせないデータセンターの建設が鈍るとの見方からこのような損失が出たわけだが、データセンター建設がもたらす経済効果がいかに大きいかを思い知らされた。
とはいえ、データセンターの建設を野放しにしてよいものかという点には大きな疑問が残る。データセンターは、大量の水と電気を消費し、膨大な熱を出す。住民にとってみれば、騒音や電気代・水道代の値上げは生活を直撃する問題であり、建設にあたっては住民の賛同を得ることが大前提である。加えて、地球温暖化を加速させる懸念もある。
テック企業の成長にばかり目を向けてはいられないだろう。一定の規制は必要だ。
そもそもデータセンターの増強には、「中国に負けられない」という側面もある。AIの分野でアメリカが中国に負ければ世界秩序が保てなくなるという意見もあるが、果たして本当にそうなのだろうか。
「AIの急成長が人類を滅亡させる恐れがあるため、成長を鈍らせる必要がある」と強く訴えている人もいる。もしその懸念が正しいのであれば、人類のためにもデータセンターの建設は控えた方がよいのではないかと私は考える。
投稿:2026年11月7日
シンガープロ 安藤秀樹

